ここではSIBOを食事で改善する方法について述べています。
「SIBO」(小腸内細菌増殖症)とは、本来、大腸だけに生息しているはずの細菌(バクテリア)が小腸にも増殖してしまう病気のことをいいます。
正常な小腸の腸内細菌の数は、1万個程度ですが、SIBOにおいては、およそ10倍も増えてしまうというのです。
もし小腸の腸内細菌が異常に増殖してしまえば、食べ物の栄養素がきちんと吸収されなかったり、免疫力の低下などの問題も生じてきてしまいます。
そのため、日頃の食事によって腸内環境や腸内フローラを改善するためには、一般的に水溶性の食物繊維やオリゴ糖などが含まれた食品を積極的に摂取することによって、腸内の短鎖脂肪酸を増やすことが大切だとされていますが、「SIBO」(小腸内細菌増殖症)の場合には、腸内細菌のエサになる炭水化物を摂ることは、逆効果になるといわれています。
ちなみに、日本においてSIBO(小腸内細菌増殖症)の患者数が増えている理由としては、アメリカ型の食生活へと変化することによって、ファストフードに代表されるような、日頃からグルテンなどが含まれている小麦が多く使われたパンやパスタ、ピザなどを多く食べるようになったことなどが挙げられています。
では、SIBOを毎日の食事によって改善するには、どのようなことが大切になってくるのでしょうか?
まず、食事においては、腸内細菌・バクテリアを過剰に増やさないように、炭水化物の摂取に気をつけることが必要になってきます。
特に「高FOODMAP」と呼ばれる食事・食品は避け、なるべく「低FOODMAP」と呼ばれる食事・食品を摂るようにすることは大切です。
「FOODMAP」とは、
といった吸収が悪い発酵性の糖質を指すとされています。(参考 江田証『小腸を強くすれば病気にならない』)
この「FOOFMAP」の考え方によれば、たとえば、穀物に関しては、白米や玄米、そばなどはOKですが、小麦や大麦、パン、パスタやうどんなどは避けた方が良い食べ物になります。
また、野菜に関しては、なすや大根、にんじんやブロッコリー、キャベツなどは大丈夫ですが、さつまいもや玉ねぎ、ニンニクやアスパラガス、ごぼうなどは避けた方が良い、とされています。
さらに果物に関しては、バナナ、イチゴ、ブドウ、みかんなどは摂っても良いが、リンゴ、スイカ、もも、マンゴーなどは摂らない方が良いとされています。
そのほか発酵食品の納豆も、一般的には腸内環境の改善のために食べる事が推奨されていますが、SIBOを改善するために「高FOODMAP」の食品を避けるという意味合いでは、食べない方が良いとされています。
ところで、先程の江田証氏は、『小腸を強くすれば病気にならない』のなかで、食事法以外にSIBOを改善するために大切なこととして、以下を挙げていますので、ご紹介したいと思います。
①適度な胃酸を保つ
②胆汁の分泌を良くする(座りっぱなしをやめる。立ち食いをする。座ってばかりいると胆汁の流れが悪くなる)
③小腸の消化運動を(MMC)を良好に保つ
④大腸から小腸への逆流を防ぐ
⑤小腸内のバクテリアを飢えさせる
⑥抗生物質を使う(天然のサプリメントを使う)
⑦小腸のバクテリアにエサを与えない食事をとる(成分栄養)
⑧免疫力を高めるサポートをする
⑨SIBOマッサージ
(江田証『小腸を強くすれば病気にならない』p126~127)
以上ここまでSIBOを食事で改善する方法について述べてきましたが、「SIBO」(小腸内細菌増殖症)の場合には、オリゴ糖など大腸内の腸内細菌のエサになる炭水化物を積極的に摂ってしまうと、小腸で増えすぎたバクテリアのエサになり、かえって逆効果になってしまうのです。