近年、急増しているとされる大腸がん・炎症性腸疾患・過敏性腸症候群は、腸内環境・腸内フローラの悪化と関係があるとされています。
以前は、大腸がんになる人はわずかでしたが、最近ではがんの死因として、女性では1位、男性では3位になっています。このように大腸がんを患う方が増えている背景としては、日本人の食事が欧米型に変化していることがあるとされています。
また炎症性腸疾患も、近年、急増するようになりました。
炎症性腸疾患とは、腸管が炎症を起こしてなかなか治らない難病のことで、発熱、下痢、血便などが長期間続きます。主に大腸に起こる潰瘍性大腸炎と小腸に起こるクローン病が挙げられます。
この炎症性腸疾患は発症原因が不明だとされていますが、腸管免疫の機能の異常が関係しているといわれています。また、その腸管免疫の異常には、遺伝子や腸内フローラが関わっているとされています。
それに加えて、過敏性腸症候群に悩まされている方も増えています。過敏性腸症候群は、便秘、下痢、腹痛が伴う症状のことで、その発症には、強い不安やストレスなど、精神面や心の領域が関わっているとされています。出勤前などに急におなかの調子が悪くなり、それが何か月も継続するのであれば、過敏性腸症候群の疑いがあるため、専門医の診断を仰ぐことも必要になってきます。
これら、大腸がん、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群といった腸の病気は、腸内フローラを改善することで、発症のリスクを低下させたり、ある程度症状を緩和したりすることが可能であるとされているため、日頃から腸内細菌のバランスを整え、腸内環境を良好に保つよう心がけることが大切になってきます。