ここでは乳酸菌とストレス対策の関係性について述べています。
腸内の乳酸菌を増やすようにすることは、ストレスをやわらげるために有効であると考えられます。
極度のストレスを感じると、腸内の善玉菌が減少し、代わりに悪玉菌が増殖することはよく知られていますし、学校や職場における心理社会的ストレスや、人間関係などにおける慢性的なストレスが続いてしまうと、過敏性腸症候群といった疾患も生じてくる可能性があります。
しかし、最近の研究では、乳酸菌がストレスと関係していることが判明してきています。
たとえば、ヨーグルトの摂取によりストレス情報の伝達を抑制されたり、一部の乳酸菌を摂ることで、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)が抑制されたりするといわれています。
また、無菌マウスは通常の腸内細菌をもつマウスよりも、過剰なストレス反応を示すそうです(九州大学大学院医学研究員の須藤信行教授による研究)。
しかし無菌マウスに腸内細菌を植えつけると、無菌マウスのストレス反応は正常化に向かったようです。
このような研究は、マウス実験ではありますが、乳酸菌がストレスを低減するために働いてくれる可能性を示しているように思います。
ストレスと乳酸菌の関係については、これからの研究のさらなる発展を見守っていきたいですが、プロバイオティクスによって乳酸菌を摂るようにしたり、プレバイオティクスによって腸内の乳酸菌を増やしたりすることは、日頃のストレスをやわらげるために効果を発揮してくれるかもしれません。